MBA留学準備ガイダンス(第6回)

願書

1:願書とは?

出願者の基本情報を出願先のMBAプログラムの入学審査委員会と共有する書類です。

1-1:良い願書とは?

適切な情報が過不足なく記載されている願書です。

2:願書の種類

オンライン願書と紙願書があります。

以前は紙願書が中心でしたが、近年はオンライン願書が主流になっているという印象があります。

2-1:オンライン願書

オンライン上の書式に必要事項を記入する願書です。

MBAプログラムの公式ウェブサイトからID番号とパスワードを取得して、願書の作成作業を進める形式です。

2-2:紙願書

紙の書式に必要事項を記入する願書です。

MBAプログラムの公式ウェブサイトにある願書を印刷して、願書の作成作業を進める形式です。

3:願書の構成

出願者情報欄、プログラム選択欄、学歴情報欄、職歴情報欄、活動記録欄、英語試験記録欄、能力試験記録欄、レジュメ提出欄、エッセイ提出欄、学校情報収集記録欄、留学資金情報欄、推薦者情報欄、出願者署名欄などから構成されます。

3-1:出願者情報欄

氏名、住所、Eメールアドレス、電話番号、性別、生年月日、母語、国籍などの情報を記入する項目です。

出願者だけではなく、出願者の家族の情報を記入する項目が設定されていることもあります。

3-2:プログラム選択欄

プログラム名、プログラム開始時期などの情報を記入する項目です。

3-3:学歴情報欄

出身大学、出身大学院などについて、所在地、学部、専攻、成績、入学年月、卒業年月、学位などの情報を記入する項目です。

成績については、GPA(Grade Point Average)を記入する項目が設定されていることがありますが、出身大学、出身大学院などが、GPAの成績評価システムを採用していない場合には、4.0スケールのGPAに換算することが奨励されている、4.0スケールのGPAに換算しないことが奨励されているなど、ビジネススクールによりガイドラインが異なりますので、個別に確認することが望ましいです。

3-4:職歴情報欄

業界、会社、部門、役職、職務内容、勤務期間、報酬、所在地、退職理由などの情報を記入する項目です。

3-5:活動記録欄

ボランティア活動、学術活動、国際経験、受賞歴、資格などの情報を記入する項目です。

3-6:英語試験記録欄

TOEFL®、IELTS™などの英語試験について、点数、受験日、再受験予定日などの情報を記入する項目です。

再受験予定日を記入する場合には、スコアの差し替えについてのガイドラインを確認することが望ましいです。

3-7:能力試験記録欄

GMAT™、GRE®などの能力試験について、受験回数、点数、受験日、再受験予定日などの情報を記入する項目です。

再受験予定日を記入する場合には、スコアの差し替えについてのガイドラインを確認することが望ましいです。

3-8:レジュメ提出欄

レジュメやCV(Curriculum Vitae)を提出する項目です。

レジュメやCVの枚数などのガイドラインが記載されています。

3-9:エッセイ提出欄

エッセイを提出する項目です。

エッセイ課題、制限文字数、フォントサイズなどのガイドラインが記載されています。

MBAプログラムの公式ウェブサイトにエッセイ課題が公開されていない場合には、早めに願書の作成作業を開始してエッセイ課題を確認することが望ましいです。

MBAプログラムによっては、エッセイ課題とともに、事実上のエッセイ課題と言っても過言ではないミニエッセイ課題が設定されている場合があるので注意が必要です。

オンライン願書の場合、PDFファイル、Wordファイルなどを添付する形式や設定されているスペースに直接入力する形式があります。

設定されているスペースに直接入力する形式の場合、記入枠に文字数制限が設定されていることがありますので、確認することが望ましいです。

3-10:学校情報収集記録欄

在校生、卒業生などのビジネススクール関係者とのネットワーク構築状況、学校説明会への参加の有無、キャンパスビジットへの参加の有無などの情報を記入する項目です。

3-11:留学資金情報欄

自己資金、借入金、奨学金など、授業料や生活費の留学資金についての情報を記入する項目です。

個人参加の場合には金融機関の残高証明書、企業派遣の場合には留学資金についてのサポートレターなど、出願者の状況に応じた書類を提出することが必要になる場合があります。

3-12:推薦者情報欄

推薦者の氏名、勤務先、肩書、Eメールアドレス、出願者との関係などの情報を記入する項目です。

MBAプログラムによっては、願書の準備が完了してから推薦状についての情報が推薦者に伝えられる場合がありますので、早めに願書の作成作業を開始することが望ましいです。

3-13:出願者署名欄

願書への記入内容が正しいことについて署名する項目です。

4:願書の提出方法

インターネット出願、郵送出願などの方法があります。

4-1:インターネット出願

オンライン願書を提出する方法です。

出願期限とともに、出願期限の基準として設定されているタイムゾーンについても確認することが望ましいです。

出願期限については、日単位ではなく、時間単位で設定されていることがありますので注意が必要です。

4-2:郵送出願

紙願書を提出する方法です。

願書とともに、同封書類についても確認することが望ましいです。

出願期限については、出願締切日までの消印ではなく、出願締切日までの必着が要件として設定されていることがありますので注意が必要です。

5:願書の提出時期

ビジネススクールにより設定された出願期間に願書を提出することが必要になります。

タイムマネジメントを適切に行いながら願書の作成作業を進めることにより、早い時期に高い品質の出願書類を揃えてビジネススクールに願書を提出することが理想的です。

願書の提出時期についての判断基準は、ラウンド制、ローリング制など、ビジネススクールによる入学審査の方法により異なります。

5-1:ラウンド制

ビジネススクールにより設定されたラウンドごとに、提出された願書が審査される入学審査の方法です。

出願者は、ラウンド1、ラウンド2、ラウンド3など、複数回のラウンドを考慮しながら、願書を提出するラウンドを自由に選択できるのですが、ラウンドが進むにつれてMBAプログラムの残席が少なくなるので、高い品質の出願書類を揃えることができる場合には、早いラウンドに願書を提出することが望ましいです。

同じラウンドに提出された願書はまとめて審査されるので、MBA留学準備の状況によっては、願書を提出するラウンドの出願期限までの残り時間を有効に活用することにより、出願書類の更なる品質の向上を図ることは検討に値すると思います。

5-2:ローリング制

ビジネススクールにより設定された出願期間に、MBAプログラムが満席になるまで、提出された願書が個別に審査される入学審査の方法です。

出願者は、出願期間を考慮しながら、願書を提出する時期を自由に選択できるのですが、願書が届いた順に審査が進むので、高い品質の出願書類を揃えることができる場合には、MBAプログラムの定員に余裕のある早い時期に願書を提出することが望ましいです。

MBAプログラムの残席があるうちに願書を提出することが重要なので、MBA留学準備の状況によっては、高い品質の出願書類に過度にこだわることなく、スピードを重視しながら出願書類の準備を進めて願書を提出することは検討に値すると思います。