受講者の声 H.K.さん (2023年、2024年)
【1年目】
University of Oxford
Blavatnik School of Government
Master of Public Policy
(2023/24)
【2年目】
University of Oxford
Blavatnik School of Government
MSc in Public Policy Research
(2024/25)
1 大学院留学を志した理由
高校生の頃から留学に憧れがあり、漠然と大学の交換留学を利用してヨーロッパに留学できたらいいなと考えていましたが、大学入学後は新しい環境の中でそのような考えは心の奥に消え去ってしまいました。しかし、大学卒業後、国家公務員として数年勤務する中で、政策立案に必要な知識・技能と自身が持っている知識・技能のギャップや、グローバルな視点の欠如に悩む中で、国家公務員の留学制度があることを知り、また、多くの先輩が留学に旅立つのを見送るにつれて、「留学したい」という高校生の頃の気持ちが大きくなり、近代以降の世界史の中心であり、依然として世界の政治・経済で高いプレゼンスを示す英国への留学を志すようになりました。
2 実際の留学準備(大変だったこと、楽しかったこと)
振り返ると、留学の準備は総じて大変でしたが、内容面では楽しかったと感じています。
1年目の大学院については、仕事をしながらの出願準備でした。留学直前の部署が多忙な部署だったため、平日はほぼ準備に手を付けられず、土曜日にIELTS™の学習・受験及び出願書類の作成・修正を行い、日曜日に田山さんとのカウンセリングに臨むというサイクルで準備を進めました。大学受験時から英語が苦手だった私にとって、オックスフォード大学の英語の基準(IELTS™:OA 7.5以上かつ各セクション7.0以上)はハードルが高く、最後まで苦労しました(なお、これは入学に必要な最低基準であり、基準をかろうじてクリアした私は入学後もしばらく苦労しました)。
2年目の大学院については、1年目の大学院のコース開始前後から出願準備を始めました。英語の基準は既にクリアしていましたが、まだ慣れきっていない生活環境、日に日に日照時間が短くなっていく英国の気候、大量の課題図書とタスクが課される留学生活の中、プラスαで出願書類を作成するのは想像以上に負担が大きかったです。また、1年目の学習内容との関係性(Academic Progressがあるか)等、2年目の出願に特有の課題もあり、出願書類の作成に難航した時期もありました。
このように体力的には苦労した記憶が濃いですが、出願書類の作成、英語の学習は非常に楽しかったです。出願書類の検討においては、旧知の友人のように楽しく田山さんにとりとめのない昔話をして、それを出願に有効なエピソードに変換していただいたことも多々ありました。何気ない昔話が、アドミッションの心に刺さる重要なエピソードとなって私を修飾してくれることは、留学に限らず自分にとって大きな自信にもなりました。また、英語の学習も非常に楽しく取り組みました。外国に3日以上滞在した経験のなかった私にとって、1つでも多くの単語・表現を知ること、少しでも多くの情報を正確に文章・会話で伝えられるようになることは、これから2年間の留学をする自分を必ず助けてくれると信じていましたし、自身の能力が少しずつ伸びていくのを楽しんでいました。
3 志望校合格に役立ったと思われる、大学院留学カウンセリングに関する具体的なエピソード(出願戦略、エッセイ内容構築など)
仕事や大学院に予想より多くの時間を取られ、限られた時間での出願となったため、私の場合、無理のない出願スケジュールの設定は非常に重要でした。田山さんからは、長年、多忙な社会人の留学カウンセリングをしてこられた経験から、合理的かつ無理のないスケジュールの提案をいただき、また、予期せぬ業務の発生等によりスケジュール通りに進まなくなりそうなときには、先を見越した早期のスケジュール修正を提案いただくなど、最短距離でゴールまで走り抜けられるよう、丁寧にサポートをいただきました。
また、田山さんは、当事者である私以上に出願校のホームページを熟読されており、各出願校の重視するポイント(視野の設定の仕方(世界レベル、国家レベル、地域レベル)、強みとする分野(リーダーシップ、エビデンス、デジタル)等)について、高い解像度でアドバイスをいただきました。そのおかげで、全ての出願校に対して、「使い回し感」のないピントの合った書類を作成することができ、結果として全ての出願校からオファーをいただくことができました。
4 これからの大学院留学への期待
現在、1年目の大学院が終わりに差し掛かっている6月に筆を執っています。そのため、1年目の大学院の感想と、2年目の大学院への期待について述べさせていただきます。
1年目の大学院は、60以上の世界の国々から、政府職員や国際機関職員を中心に極めてダイバーシティに富んだ学生が集まっています。カリキュラムは非常にインタラクティブで、授業中のディスカッションでは多様なバックグラウンドに基づく興味深い意見が飛び交い、自らの視野の狭さ、視点の低さを反省することもしばしばです。また、オックスフォードは「夢見る尖塔の都市(Dreaming Spires)」とも呼ばれ、世界中から夢と才能に満ちた学生が集まる大学都市であり、若々しく活発な雰囲気と1,000年近い大学の歴史を思わせる重厚な建造物や伝統が共存するとともに、町全体が非常にアカデミックな雰囲気をまとっています。このような場所で学習に取り組めるのも、非常に恵まれた環境であると感じています。
2年目の大学院は、チームビルディングや交渉術などの実務的なスキルも含め公共政策に関する幅広い内容を学習した1年目とはうって変わって、公共政策に関する特定分野を自ら定め、アカデミックなリサーチを行うコースです。自身の専門分野をさらに深めて、その分野の第一人者となって日本に帰国することを目標に研究に取り組みたいと考えています。
5 これから大学院留学を志す方へのメッセージ
社会人で大学院留学を志す方は、現状の自分に満足せず、さらに自らを高めようとする熱い志を持った方だと思います。準備段階や留学中も含め、その過程ではお金や時間など失うものも多く、また、出願書類が上手く書けなかったり、英語の目標スコアに届かなかったり、必ずしも全てが思うようにいかず、諦めそうになることもあるかもしれません(私もそうでした)。しかし、やはり留学によって得られるものは非常に多く、留学が終わる頃には、人間的にも、能力的にも、一回りも二回りも大きくなって帰ることができると確信しています。辛いときには、田山さんとのカウンセリングで思い描いた「留学後のなりたい自分・ビジョン」を今一度思い出して、熱い志で踏ん張っていただければと思います。皆様が留学という機会を最大限に活用し、理想の自分に向けて大きく前進できることを心より応援しています。
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