「MBA留学レポート」
FECフェローの栗原哲さん(Babson College、Class of 2008)から届いたMBA留学レポートをお伝えいたします。
栗原さん、どうもありがとうございました。
木下修(MBA留学カウンセラー)
以下、本文です。
先月バブソン大学を卒業した栗原です。これまでの2年を通じて自分が何を感じ、どう変わったかを振り返りたいと思います。
私は会社派遣で、この2年間バブソン大学のMBAコースに籍を置きました。その間、ファイナンスやストラテジーなどマネジメントの基礎知識を習得したこと、そしてチームプロジェクトなどの実践的な訓練を通じて異文化間コミュニケーション、ロジカルシンキングやタイムマネジメントといったスキルを高めることができたと思います。もともと経営に関わる経験がほとんどなかったこともあり、留学を通じて自分のビジネススキルの幅をぐんと広げることができたと考えます。
それ以上に価値が高かったのは、ビジネスに対する見方を広げることができたことです。アントレの殿堂バブソンでは、知識を身につけること以上に、成功するためにはスマートであることよりも、パッションを持って目標の実現に向けて進むことが重要であるということが強調されます。実際にスタートアップした起業家や企業の変革の担い手に会って、彼らの持つ強い意志の力を目の当りにし、自分もビジネスを変える力を持つんだということを具体的にイメージできたことは、ビジネスに対する考え方を新たにする価値ある経験でした。
それからグローバルな感覚を身に付けたことも大きかったです。世界中から集まったワールドクラスの同級生と交流する中で、バックグラウンドの違い、考え方の違いを超えて議論する経験をしました。当初はうまく分かり合えずとてもストレスを感じます。しかし価値観が違っても、コミュニケーションに多少不自由があっても、そのうちちゃんと分かり合えるし、むしろコンフリクトを超えることでいいアイデアが出てきます。そして世界中に友達の輪が広がりました。こういう経験を通じて「これからの世界ではグローバルな見方が必要だ」ということを、頭ではなく体で教わったと思います。いろんな考え方があることをいったん受け入れたうえで、自分の頭で考えて解決を導こうとする姿勢をもつこと、それが世界基準のものの見方なんだと思います。
自分の客観的な価値を強く意識したことも重要な経験でした。自分の裾野の広がり具合とビジネススキルのレベルが、クラスメートとのディスカッションを通じて否が応でも認識させられます。自分が意外に強い面を認識したこともあったけど、多くは自分の至らなさを知らしめられる悔しい経験でした。でもこれは今後の新しい目標設定につなげていけばいいと考えます。これまで自分の会社の外に身を置くことがなかったので、自分の強みと弱みを客観的に認識させられたことは、これからの自己開発において非常に貴重な経験になりました。
最後に、今回の留学は一緒にすごした家族にとっても大きなチャレンジになりました。異文化のもとでの家族暮らし、特に子育てと赤ちゃんの出産といった経験を通じて、みんなずいぶん鍛えられたし、多くのひとの優しさにもふれました。この経験は、どんな環境であってもやっていけるという自信と、新しいことに挑戦し続けたいという意欲を強くするものとなりました。
卒業式では、1年の最初のリーダシップのクラスでコールドコールを浴びせて僕をたじたじにした学長のコーヘン教授が、卒業生一人ずつに修了証を手渡します。「アントレプレナシップとは何か、それは知識でもスキルでもない。強い意志を持つことで世界を変えるくらいパワーをもつということを認識し、実行することだ」という彼の言葉を聞いて、バブソンが教えようとしていたアントレプレナシップとは何なのか、僕なりに分かった気がして、キャップ&ガウンを着た自分を少し誇らしく感じました。
卒業後は元の会社に戻ります。今回はまったく未経験の職場で再スタートすることを希望しました。しばらくもがきながら、新しい自分の力を仕事で発揮していきたいと思います。













